春の兆しが感じられるようになりました3月11日、大阪大空襲を祈念するための平和イベント「語り継ぎ部」育成のための講演会を開催しました。
本年度は講師に映画評論家・ラジオパーソナリティとして活躍されている浜村淳さんをお招きし、ご自身の戦時中の記憶や映画評論を通して平和の大切さを訴えられました。
立て板に水を流すような語り口も然ることながら、機知に富んだ内容に会場は引き込まれました。
ご出身である京都が戦禍に呑まれたお話から、終戦の玉音放送が発表された当時の状況や印象など実体験を語られるとともに、イタリアを舞台にした戦争映画「ひまわり」をピックアップし、戦争によって引き裂かれた男女の切ないストーリーにふれ、二度と惨劇は繰り返してはならないと力説されました。
後半では参加者との対話の時間が設けられ充実した時間を過ごしました。
年月が経つにつれ、戦争を知る世代が減少しています。
連日連夜死が迫ってくるという生きた心地のしない感覚を、伝えていくことは非常に困難かもしれません。
しかし、悲惨な歴史を立体的に学び、心から平和を希求するためには、次世代に語り継いでいくことが必要不可欠です。
「本当の苦労は戦後からはじまった」という浜村さんの言葉が印象的深く、体験者の証言から戦後という時代を振り返り、平和とはなにか問い続けていくことも、今の私たちにできることの一つではないでしょうか。